📘 はじめに
借金返済が本当に苦しかったとき、私の頭をよぎったのは「任意整理」という選択肢でした。
普通に考えれば、あのとき債務整理を選んでも全くおかしくなかったと思います。
それでも私は、最後まで「やらない」と決めました。
今回は、なぜその選択をしたのか、当時のリアルな状況と心の葛藤を正直にお話しします。
📖 1)債務整理を考えたときのリアルな状況
当時の借金総額は約1000万円。
毎月の返済額も、生活費を差し引けばギリギリという状態でした。
ボーナスでようやく少し元本が減る程度。
毎月きっちり返済しているのに、元本が全然減らない。
そんな無力感に押しつぶされそうになっていました。
半年に一度のボーナスで元本を減らしても、生活にゆとりが生まれるわけではなく、
「これって、何年かかるんだろう」「もう無理かもしれない」と思うことも一度や二度ではありませんでした。
当時、債務整理についてはほとんど知識がなく、「破産」というおぼろげなイメージしか持っていませんでした。
そんな中、借金返済に関する情報を調べていくうちに「任意整理」という制度があることを知ったのです。
- 利息をカットしてもらえる
- 毎月の返済額が軽くなる
知れば知るほど、「自分も対象になるかも」と思いました。
それでも、最後の一歩が踏み出せませんでした。
📝 2)なぜ債務整理をしなかったのか
① 会社や周囲にバレることが怖かった
一番の理由はこれでした。
当時の私は、会社から支給されているクレジットカードを使い、出張費や立替経費を支払っていました。
任意整理に関する情報を調べていた時に目についたのが、クレジットカードが使えなくなることでした。
なんで会社カードで精算しないといけないのに、カードが使えないのか。
そんな疑問を持たれたら、すぐに会社にバレる。
バレたら信用を失い、部署移動させられるかもしれない。
噂なんてすぐに広まってしまうので、会社に居づらくなるのは目に見えている。
この恐怖が、どうしても踏み切れない理由でした。
実際に、無料の法律相談事務所にも電話相談もしたことがありました。
現状を伝えたところ、「任意整理を選んだほうがいい」とはっきり言われました。
でも、会社支給カードの問題を相談すると、「確かにバレるリスクは高い」と言われ、
その一言で心が決まりました。
② 現状で頑張れば、時間はかかるが完済できると思った
当時の私は、「毎月最低金額を返済し、ボーナスで少しずつ元本を減らす」という方法を地道に続けていました。
たしかに苦しかった。
たしかに道のりは長かった。
でも、完全に手詰まりというわけではなかった。
生活費を切り詰め、無駄な支出を徹底的に削り、副収入を得る努力もして、少しずつでも返済を続けることはできていました。
まだ、やれることがあるかもしれない。
わずかな希望を信じて、私は債務整理という選択肢を封印しました。
👣 3)実際どうだったか|選ばなかった後の現実
選ばなかったからといって、楽になったわけではありません。
むしろ、現実はより厳しかったです。
毎月ギリギリの生活。
ボーナスは全額返済に充当。
小さな贅沢すら許されない日々。
ボーナス後、周囲が「旅行に行った」「新しい家電を買った」「資産運用を始めた」など話すたびに、
心のどこかで羨ましい、でもみじめな気持ちになりました。
周囲には「無趣味だから」とごまかしていましたが、
実際はお金を使う余裕すらありませんでした。
それでも、
家計簿をつけ、
支出を見直し、
できる限り返済に回し続けました。
最初は、残高の減りなんてまったく実感できませんでした。
でも、数年後――
家計簿をふと見返したとき、
確かに借金残高が減っていることに気づいたのです。
少しずつだけど、ちゃんと前に進んでいる。
そう感じられた瞬間、小さな自信が胸に広がりました。
そして今、改めて思うのは
信用を守れたことは本当に大きな財産だったということです。
任意整理を選ばなかったことを後悔していないかと聞かれると、
出来るならしたかった。というのが本音です。
ですので、安易に任意整理を勧めれませんが、
どうしても迷っている方がいれば、検討してみる価値は十分にあると思います。
📝 まとめ|失わなかったものと得たもの
あのとき債務整理を選ばなかったことが、正解だったのか、不正解だったのか。
今でも答えはわかりません。
でも、ひとつだけ言えるのは、
自分で選んだ道を、自分で歩き切ろうとしているという事実です。
借金によって失ったものも多かったけれど、
それでも得たものもありました。
- 小さな成功体験
- 「あきらめなかった」という自信
- 自分自身への信頼
あのとき希望を捨てず、前を向き続けた自分に、
今は心から「本当によく頑張ってる」と伝えたいです。
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